日本小児科学会 分科会活動実績報告

分科会活動状況 分科会名:国際小児保健研究会 2012年度

  1995年3月設立の国際小児保健研究会(Japan International Child Health Association:JICHA)は、「子ども、健康、国際」がキーワードである。2006年1月に日本小児科学会の分科会となり、2013年3月現在の会員数は198名である。

  JICA、WHO、ユニセフ、緊急災害支援などの現場経験者、渡航医学に携わる医師など、会員の専門性は多岐に及ぶ。「国際保健活動の計画・実施・評価に関して自由に議論できる場を提供し、世界の子どもたちの健康のために邁進する」という目的で、年2回の定期研究会を開催している。  

  第40回研究会(福岡,4月)は、葛西健氏(WHO西太平洋地域事務局)による講演を皮切りに「大災害における小児科医の役割〜東日本大震災を振り返って」をテーマとして、国内外の緊急災害人道支援を含めた活発な議論が行われた。第41回研究会(岡山,11月)は、宮津光伸氏(名鉄病院予防接種センター)による講演「こどものワクチン接種〜渡航時ワクチンの現状と課題」で始まり、感染症専門医からプライマリケア従事者まで幅広く参集した。  

  2011年度から開始された若手勉強会はより充実し、小児の非感染症疾病(Noncommunicable diseases, NCDs)をテーマに3回(7月、11月、2月)開催した。NCDsに関する国際的潮流やWHOの取組み、国内状況や小児肥満・糖尿病、健康日本21(第2次)と小児生活習慣病対策などを取り上げた。  

  文部科学省在外教育施設派遣教員内定者等研修会(1月)では、今年度も講義と医療相談、配偶者研修を担当し、オンライン学会誌JICHAジャーナルは第2巻1号を発刊した。本会は、今後も学術的調査研究と現場の実践活動の有機的な連携をめざしつつ、国際協力に関心をもつ小児科医のキャリア・パスの相談など人材育成に関する活動もさらに充実させてゆく所存である。

(国際小児保健研究会代表:中野貴司)

 

 過去の分科会報告